昨年12月にJMA(日本マーケティング協会)の研究会オープンセミナー「マーケティングの構造変化による マーケティングとリサーチの新領域」にて、日産自動車のーポレート市場情報統括本部 高橋直樹さんと講師をご一緒したときに、高橋さんがおっしゃっていたフレーズが刺さったので紹介しておきたい。

高橋さんは、日本の戦後70年の現代マーケティングの歴史の中で、マーケティングコンセプトは狩猟から農耕、そして宗教の時代になったと説く。

なるほど確かにそうかもしれない。自分なりに咀嚼をして、顧客戦略の視点からマーケティングコンセプトの変遷を簡単にまとめてみる。

●狩猟の時代

マーケティング戦略で重要なのはターゲット戦略。ご存知の通り「ターゲット」は戦争(軍事)用語で「標的」の意味。戦車やライフルなどで照準を合わせる先の標的だ。狙いを定めて認知を高め、店頭で刈り取る代表的なパワーマーケティングの時代。

●農耕の時代

マーケティング戦略で重要なのはリレーションシップ。市場が成熟し、新規顧客獲得だけでなく、既存顧客の深耕をしないと利益が確保できなくなってきた。One to Oneマーケティング、パーミッションマーケティング、リレーションシップマーケティング、CRM(Customer Relationship Management)などが注目され、「マーケットシェアから顧客シェア(≒顧客生涯価値)へ」「売上至上主義から利益至上主義へ」「認知から関係構築へ」というフレーズが声高に叫ばれた。顕在顧客を刈り取るだけでなく、潜在顧客を育成しよう、という農耕の考え方が加わった時代である。

●宗教の時代

そして現在は宗教の時代だ。ブランドマーケティングで重要なのはアドボカシー(擁護や支持という意味)。リピート購買してもらうだけでなく、好きになってもらって再購入してもらうだけでもなく、価格プレミアムが高いか(金額が少し高くても他ブランドではなく自ブランドを選んでくれるか)、友人や同僚や家族に推奨してもらえるか(NPS:Net Promoter Score=推奨意向)が重要とされる。

重要とする顧客観はブランドアドボケイツ(Brand Advocates:ブランドの熱心な支持者)で、「ファンに売るのではなく、ファンを通して売る」という思想が生まれた。

●まとめるとこんな感じ

仮に、現在~近未来におけるブランドマーケティングのコンセプトを「宗教」ととらえた場合、自社のブランドはどのようなマーケティング戦略を採るべきか、一度考えてみてもおもしろいかもしれない。ちなみに私はこの「宗教の時代におけるマーケティング」のひとつに共創マーケティングがあると思っています。

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