先週、Facebookで「今だからこそすべき!20代にやっておくべき10のリスト」という記事が回ってきて、42歳になった自分が書くならどんな内容になるのかなぁ…と思ったので、個人的な「20代にやっておくべき10のリスト」(ややストイック編)を書いてみることにする。

ちなみに、前記事で書かれていた10のリストは下記の通り。

1. セルフィッシュに生きる
2. 計画的に貯金する
3. たくさん写真を撮ろう
4. 両親に感謝しよう
5. ニュースを見る
6. 親友と旅行をする
7. たくさんデートをする
8. ワーキングホリデーで海外に行く
9. 夜遊びを楽しむ
10. ハッピーに笑って過ごす

僕の考える「20代にやっておくべき10のリスト」(ややストイック編)は下記の通りである。

1. 狂ったように本を読む

まず、社会人0年目~7年目くらいの20代のときは、ビジネス社会において圧倒的に知識が足りていない。仕事は「社会をより良くするために、自らの使命と情熱を燃やし、それを実現させていく営み」なわけだけど、そのためには経験が必要だ。そして経験を積むためには(経験するチャンスを獲得するためには)上司が隣の人より仕事を任せたくなる知識が最低限必要となる。四の五言わず、まずはインプットだ。

この世で最も効率的な勉強法は本を読むことである。先人の教えをたったの1,400円~2,000円くらいでその一部分を吸収させてもらうことができる。狂ったように本を読もう。毎月の本代は(最低でも)手取り給料の1/10くらいを目安にすると良い。手取り給料が20万円なら2万円だ。1,500円の本が13冊も買える。週に2~3冊読む計算となる。そんなに読めないって? では、あなたは10年後も「普通の人」ということだ。

2. その道の先輩とサシ飲みに行かせてもらう

読書は最も効率的な知識吸収法だが、読書などで吸収した知識を咀嚼・解釈し、腹に落とすためには、その道のプロとして第一線で戦っている先輩の話を聞くのが一番だ。そして、話を聞くのに一番良いのが、一緒に酒を飲む機会を持たせてもらうことだと思う。ただし、これは複数人ではなく、できる限りサシ飲みが望ましい。複数人数での飲み会だとどうしても話が散漫になってしまうが、サシ飲みならしっかりと自分と向き合ってもらうことができる。

ただし、その道の先輩は忙しい。特に社外の人をお誘いする場合、「自分が会うに値する人間かどうか」が重要となる。そのためにも、一定レベル以上の知識を持ち、自身のレベルを向上させておかなければならない。また、社内外を問わず、先輩をお誘いする場合は、お会いしたい想いや自分がどんな価値を提供することができるのか、誠意を持ってお伝えしよう。間違ってもFacebookメッセージなどでいきなり「もしよければ飲みに行ってください」などと送りつけないように。

3. 累積矢面時間を蓄積する

矢面(やおもて)時間という言葉は初耳かもしれない。この言葉は、野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部 主任コンサルタントである鈴木良介氏の言葉である。野村総研には、その道のプロフェッショナルであるコンサルタントが大量に在籍している。鈴木氏は、そんな魑魅魍魎なプロが跳梁跋扈する世界の中で、「ビッグデータといえば鈴木」というポジションを獲得している、若干35歳の気鋭コンサルタントだ。

鈴木氏は、「戦略的・計画的に自身のキャリアをつくっていくためには、どれだけクライアントとの矢面に立ち、成功と失敗の経験を積んだか。それに尽きる」と説いている。僕もこの意見には大賛成だ。クライアント先で会議に参加していても、ただ座っているだけでは累積矢面時間は蓄積されていない。宿題をもらって会社に返ってきて、会社で提案書や報告書を作成していても、クライアント先でそれをプレゼンしない人間はどこか他人ゴトで仕事をしている。自分がしゃべるわけじゃないからだ。だから、そういう仕事も累積矢面時間には積算されない。

後ろを振り返っても誰もいない、自分がやるんだ、というヒリヒリ感の中で、どれだけ目の前の仕事を自分ゴトとして捉え、取り組むかなのだ。あなたの累積矢面時間はどのくらい貯まっているだろうか。

4. 社外のネットワークを広げる

一社で働いていると、どうしても価値観や働き方が固定化されてしまう。自社の常識は、世の中の非常識、ということにもなりかねない。また、その逆で、自社に対する不満も、広く世の中を知ることで逆に恵まれている環境であることに気づけたりすることも少なくない。内弁慶にならず、ぜひ積極的に社外の人と交流してほしい。まずは同じ業界の同年齢と飲みに行き、情報交換するだけでもだいぶ世の中の景色が変わるはずだ。

ただし、これは決して異業種交流会などに参加してせっせと名刺を集めなさい、ということを言っているわけではない。その名刺にはほとんどの場合、価値はない。20代の頃は、人脈の形成を利己的に捉えず、見聞を広げることを目的としていろいろな人と飲みに行くくらいの方が得るものが多いだろう。ただし、そのときも、相手から吸収させてもらうだけでなく、相手にどれだけ価値を提供できるか、を意識しよう。

5. ブログを書き始め、書き続ける

あなたも、Facebook、Twitter、Instagram、Tumblr、LINEなど、様々なソーシャルメディアを利用していることだろう。ソーシャルメディアは楽しい。Facebookで友だちが増えるのも、いいね!がもらえるのも、人とのつながりや承認欲求が満たされて気持ち良くなれるだろう。

しかしだ。FacebookやTwitterに投稿したネタで、どんなに大量のいいね!がもらえても、TwitterでRTがもらえても、あなたは誰からも「尊敬」してもらえるわけではない。あなたが人から一目置かれるためには、おもしろい情報をパスするだけでなく、あなた自身が価値ある情報を発信する側にならなければならない。情報は発信する人間に集まる。そして、その情報発信の場はブログが一番である。FacebookやTwitterは「日常の行動や感情」(やネタ)を吐き出しているにすぎない。一方、ブログを書くためには「行動や感情」ではなく「意見」や「想い」をまとめる必要がある。この訓練を続けると、圧倒的なアウトプット力を手に入れることができる。

僕は、うちのスタッフが企画書や提案書を作成するとき、まずはワードでロジックをまとめることを薦めている。図版や画像をペタペタ貼ると、なんとなく提案書めいたものをつくることはできる。しかし、いざ2,000字~3,000字の文章で書こうとすると、これがびっくりするくらい書けない。つまり、自分の頭の中で情報が整理されていないのだ。20代のうちにアウトプット力を飛躍的に向上させたいのなら、とにかく大量の文章を書くことだ(できればそれを人前で話す機会があると尚良い)。ブログを書こう。そして書き続けよう。書いた文章量は、あなたを絶対に裏切らないと約束する。

6. 「大人の初体験」をたくさんする

後半は少し仕事から離れた視点で。ちなみに、ここで書いている「大人の初体験」とはそっち系ではない。

人間はルーティンが大好きである。意識していないと、毎日同じ導線上で生活してしまう生き物なのである。同じ仲間と、同じ居酒屋で同じ酒を飲み、週末は同じようなことをして時間を過ごしてしまう。脳科学をマーケティングに活用したニューロマーケティングの権威であるマーティンリンストローム氏も、「人間の85%は自動運転である」と説明している。

意識的に初体験をしよう。バンジージャンプにトライしてみるも良し、クラヤミ食堂に行ってみるも良し、友だちに誘われてフットサルにチャレンジしてみる、料理教室に行ってみる、歌舞伎や落語、ミュージカルなどの舞台を鑑賞してみる、2,000m級の登山にチャレンジしてみるなど、とにかくいつもの自分の生活導線上にないものをどんどん体験してみる。手帳に初体験日記をつけ、毎月最低1つから2つ、初体験をしているか、チェックしてみるのも良いだろう。ソーシャルやデジタルなどで情報が入ってきて、いろんなことを疑似体験できてしまう世の中だからこそ、自分で体験した「実体験」は人生にかけがえのない喜びと発見を与えてくれるだろう。

7. 真剣に遊ぶ

若い頃は、何をしていてもだいたいおもしろい。仲の良い友だちと酒を飲んでオールでカラオケをしても、海や川に行ってみんなでBBQをしても、彼氏・彼女と流行りのスポットに遊びに行っても、十分楽しいだろう。

しかしだ、もし仮にあなたが広告・広報・マーケティング業界に務める人で、これから一目置かれる人間になりたいと思っているのなら、遊びも全力投球する必要がある。マーケターにとって最良の肥やしは、遊びの中から得られるからだ。

平日の緊張から解き放たれ、浜辺でビールを飲みながら弛緩しまくるのは40代を過ぎてからで十分だ。20代の頃は、一生懸命遊んでほしい。遊びにも全力で取り組んでほしいのだ。あなたは先月の週末、誰と何をして遊んでいたか覚えているだろうか。そしてその経験はあなたの人生にとってかけがえのない素晴らしい体験を残してくれただろうか。

いや、平日の夜や毎週末の遊びのすべてが人生最高のものになるなんてことは難しいが、言いたいのは、単にだらだらと時間を過ごす遊びはほどほどにして、背筋がゾクゾクするような遊びに時間とお金を突っ込んだ方がその後の人生を豊かにしてくれるよ、ということなのだ。

8. 魂がとろけるような恋をする

多くの20代諸君は独身だろう。独身の特権、それは(当たり前だが)自由恋愛であることだ。将来、あなたが結婚するかどうか(そもそも、結婚したいのかどうか)はわからないが、自由恋愛のいま、ぜひ多くの男性・女性と付き合い、魂がぶつかり合うような恋をしてほしい(いや、別に一人のパートナーと長く付き合うのもいいんだけども)。

恋は幸せや喜びとともに、悲しみや葛藤など、本当に多くのことを学ばせてくれる。好きになった人と付き合うまでの道のりで一喜一憂したり、付き合い始めの何をしていてもとにかく幸せでトキメキまくったり、ヤキモチを焼いたり相手の気持ちに自信が持てなくて疑心暗鬼に陥ったり、熱狂的・動的な恋愛感情が安心・静的な信頼関係に変わってきたことを感じたり、一部の諸君においては浮気がバレて修羅場を迎えたり、いかんともしがたい事由によって別々の人生を歩む決断をしなければならなかったり、別れた後に前の彼氏・彼女が忘れられずに世の中が全て灰色に見えたり。

いずれにせよ、恋は人生を豊かにしてくれる。「この人のためならなんだってできる!」なんて(多くの場合誤解なのだが)思わせてくれる。もしあなたが、だらだらと惰性の恋愛関係を維持してしまっているのだとすれば、その関係はいずれにせよはっきりさせた方が良い。さあ、魂がとけるような恋を探して旅に出よう。

9. 一切、貯金はしない

最近の若い人たちは、安定志向が強いと聞く。会社四季報に掲載されている平均勤続年数を重視して就活をする(終身雇用志向)、20代前半で結婚して家族を持ちたいなど、全ては個人の自由なのだが、僕が一番もったいないと思うのは、「将来、年金が出るか不安なので、いまのうちに老後のための貯金をしている」というものである。その不安はわからないでもない。

しかし、一番のリスクは、貯金がないことじゃない。あなたが転職しようとしたり、もしくは環境変化などによってリストラされたり、勤めている会社が倒産したときに、転職するエンプロイアビリティ(雇われるスキルセット)がないこと、もしくは起業するバイタリティと稼ぐ力がなく、希望の収入を得ることができなくなることなのだ。

銀行に預けている現金はあなたに何ももたらしてはくれない。大手メガバンクの普通預金の金利は(2015年6月現在)わずか0.02%である。100万円預けても一年でたったの200円だ。ハーゲンダッツのアイスクリームすら買えないのである。投資信託だって平均利回り3%~5%もあれば御の字だ。100万円が一年で103万円になるだけである。

この世で一番利回りが高い投資先は何か? それは間違いなく「あなた自身」である。あなたのいまの年収が税込みで400万円だとしよう。頑張れば毎月5万円くらいは貯金できるかもしれない。一年で60万円、5年で300万円の貯金ができる。でも、そのときのあなたの年収は(5年で30万円アップの)430万円かもしれない。

一方、毎月手取り給与の10%相当分の本を読み、セミナーに行ったりいろいろな人に会いに行き、社外の仲間と情報交換しながら見聞を広げ、ブログを書き続け、毎月ひとつの初体験をしながら、真剣に遊んでいれば、いろいろな仕事にチャレンジする機会を得て、累積矢面時間が蓄積されることで戦闘力が増し、年収が600万円になっているかもしれない。

これは、もし会社に何かあっても、次の選択肢が複数手の中にある状態だ。あらゆるものがすさまじいスピードで陳腐化する不確実性が高い現代社会において、最高のリスクヘッジは自分に投資し続け、常に選択の自由を自らの手の中に持ち続けることなのだ。さあ、貯金を全額おろして、自らの可能性に突っ込むのだ!(※投資は自己責任で)

10. 英語(ビジネス英会話)を習得する

いままでの人生の中で(ほとんど後悔していることはないんだけど)ひとつだけ大きな後悔を挙げるとすれば、それは若い頃に本気でビジネス英会話の習得をしなかったことだ。「何かを始めるのに遅すぎることなんてない!」と偉そうに人には言うものの、心のどこかではGoogle先生のウェアラブル同時通訳デバイスを心待ちにしている自分がいる)。

日本でのビジネスにはそれなりの自信が出てきたものの、僕の戦闘力は海外に行った時点で10,000分の1以下になる。酒場でのフリートークならなんとかなるが、僕の残念すぎる英語力ではビジネスの現場で「矢面」に立ち、クライアントとの動的なミーティングの中で場を支配しながら要求定義をすることはできない。英語が話せれば世界の4人に1人と話せるのに、日本語だけでは70人に1人としか話せない。つまり仕事ができない。これは致命的、というより寂しすぎる現実だ(だったらやれよ、という話なのだが)

20代諸君。悪いことは言わないから、今日からビジネス英会話の習得を目指して行動を始めなさい。1億人のマーケットで生きるか、17億人と仕事をするか。やるなら今だ。

健闘を祈る。

※今回も自分のことは高々と棚に上げて好き勝手にお送り致しました。「そういうお前の20代はどうだったんだ!」というツッコミはご遠慮くださいますようよろしくお願い申し上げます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

トラックバックURL : http://www.ikedanoriyuki.jp/wp-trackback.php?p=5571